仕事に多少は関係ある本の紹介

こんにちは。企画課の田口です。

以前、「仕事と微妙に関係ない本の紹介」を書きましたが、今回はもうちょっと仕事に関係ありそうな本を紹介したいと思います。

本の紹介

言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

“オノマトペ” を手がかりに、ことばと身体感覚との接点を探りながら、言語の根源や進化の謎を解き明かす一冊です。人間が使うことばは、耳に入ってきた時の感触や、発音するときの筋肉の動きなどの身体感覚とも密接に結びついています。一方、ChatGPTなどの文章生成AIはそのような身体感覚を伴わず、記号から記号への漂流のみで文章を生み出す点が人間とは異なると本書では指摘されています。

この本は、デザイナーの中山さんが「過ごし方を変えてみる」の記事で触れていたのを見て興味を持ちました。それにしても、ChatGPTが話題のタイミングで、この本に「言語の本質」とタイトルを付け、しっかりヒットさせる編集さんは流石ですね。

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ザ・ワン・デバイス iPhoneという奇跡の“生態系”はいかに誕生したか

これほど身近なiPhoneですが、その “正体” についてあまり知らないことに気がつきこの本を手に取りました。Appleの秘密主義も手伝って、iPhoneの内部や裏事情はあまり表に出てきませんが、本書ではハード、ソフト、人、技術、材料、製造、経営、社内政治、社会情勢などなど、さまざまな切り口から徹底的にiPhoneを巡る生態系の秘密に迫っていきます。

個人的には、iPhone誕生の要となったマルチタッチの技術が、電子楽器の開発の歴史とも大きく関係していたことが興味深かったです。

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グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ

Googleが誕生してインターネットの覇者に上り詰めるまでのストーリーを、徹底した取材を元に描いた約600ページの大作です。2011年出版のちょっと古い本ではありますが、Googleを生み育ててきた人たちが何を考え、何を目標に、何と戦いながらトップの地位を築いてきたかを追体験できます。

本書に限らずですが、巨大テック企業の創業物語などを読んでいると、インターネットや組織、ひいては資本主義社会を取り巻く普遍的な力学のようなものが感じられて面白いです。

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映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形

本書では、映像作品を観る主な目的が “作品の鑑賞” ではなく “コンテンツの消費” になることで、倍速視聴や10秒飛ばしという視聴スタイルが広がっていると指摘されています。さらに、SNSやサブスクの拡大、コスパやタイパの需要も加わって、端的な説明や要約、ネタバレなどのニーズも高まっているようです。世代によって倍速視聴の目的や切実さが異なることが示唆されている点も興味深かったです。

ウェブコンテンツに何が求められているかを考える上でも避けられないテーマなので、今後もコンテンツの視聴スタイルについては動向を追っていきたいと思いました。

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さいごに

以上、最近読んだ4冊の本を順に紹介してきましたが、なんとなく “本質” ということを意識しながら読んだ4冊だったように感じます。自分なりにテーマを持って本を読んでいると、いろんなことが頭の中で繋がってくるような感覚もあって面白いですね。

さまざまな本を通して得た知識や感覚を、抽象化したり具体化したりしながら、仕事やプライベートにも活かせていけたらいいなと思います。