仕事と創作活動の相互作用

こんにちは。企画課の田口です。

実は、プライベートでは音楽家としても活動しています。“アルゴリズムを用いた電子音楽” というマニアックなジャンルですが、ライブイベントに参加したり、映像や舞台の音楽を作ったりと、細々とですが15年ほど活動を続けています。

シアンスでのディレクター業務と、プライベートな創作活動とはあまり関係が無いように思えるかもしれませんが、実際には良い相互作用もあると感じていますので、今回はその一部をご紹介します。

仕事に活きる創作活動の経験

完成させる力

作品を人前に出すには、当然ながら作品を “完成” させなければなりません。当たり前のようで難しい完成へ向けた追い込みは、創作活動を続ける中で繰り返し経験して鍛えられます。この “完成させる力” は、仕事における詰めの段階でも役立っています。

演出する感覚

作品をより楽しんでもらうために必要なのが “演出” です。ライブなら音響や照明、席の並べ方、曲順、合間のトークなど。展示なら空間づくりや導線、キャプションなど。このような演出の感覚は、仕事においてクライアントとどのようにコミュニケーションを取ればご満足いただけるかを考える際に活かされていると感じます。

自由な発想法

個人の創作活動では計画性に囚われない自由な発想が許されますが、クライアントのための仕事は原則として計画的に行われるべきものです。ただし、正攻法で進めた結果、状況が膠着してしまったときには、ラテラルシンキングやチャンスオペレーションなど、創作活動の中で培われた自由な発想法が役立つことがあります。

仲間との繋がり

創作活動を続けていると、音楽だけでなくさまざまな分野の創作仲間との繋がりが生まれます。ライフワークとして取り組む作家、フリーランスの職人、制作会社で腕を振るう人など立場はさまざまですが、そのような人たちの仕事を間近で見ることで、幅広い制作のノウハウや仕事の勘所を学ぶことができます。

創作活動に活きる仕事の経験

客観性のバランス

極めて個人的なライフワークとしての創作活動と、クライアントの課題を解決するための制作業務とは全くの別物です。創作活動では、妙なこだわりや執着からバランスを崩し、沼にハマってしまうことも多々あります。そういった時には、仕事を通して身につけた客観的な視点を取り入れることで、狂ったバランスを立て直すことができます。

計画する力

個人の創作は無計画に取り組む楽しさもありますが、歳を重ねると役割も増えたり、夜も無理が効かなくなったりと、創作に割ける時間にはある程度限りが出てきます。それを補ってくれるのは、仕事で身につけた計画力や段取り力です。どのパートにどれくらい時間を掛けられるか、完成から逆算して進められるようになり、創作の手法もだんだん大人になってきたと感じます(良くも悪くも)。

Webサイト制作の知識

Web制作会社に入社しようと思い立った最初の動機は、「自分のWebサイトを作るための知識を身に付けたい!」でした。レイアウトの組み方や、正しいマークアップ方法、レスポンシブ対応の手法など、独学ではちょっと難しいことも、職場のデザイナーやエンジニアの仕事を身近で見て学ばせてもらえたことで、どうにか当初の目的であるWebサイト公開を実現できました。
あまり更新できていませんが、よかったら覗いてみてください。
https://www.tgcmsyk.info/

終わりに

仕事とプライベート、バランスの取り方は人それぞれです。プライベートを大事にしたい人は「仕事は仕事」と割り切るのも一つの考え方ですが、積極的に自身のライフワークと仕事との相互作用(相乗効果)を狙うのもアリだと思います。

シアンスでは、BtoBを中心としたさまざまな業界のクライアントとのお仕事を通して、世の中を広く知ることもできます。何かと引きこもりがちなアーティストにとっては、その点も制作会社で働く大きなメリットかもしれません。